波乱の幕開け。
ごきげんよう。
現在午後5時、今日のグラスゴーは珍しく青空です。
気温17度、風が冷たくて気持ち良い。
ケルヴィングローヴ美術館。去年の秋にも来たので訪れるのは1年ぶり。
内部ももちろんですが、外観も本当に美しいです。
あまりにも素敵な景色だったので、コーヒー片手にしばし芝生でぼーっとしてました。
・・・そう、この時すでに、私の腕の骨は折れている。笑
こんなに最高に素敵なシチュエーションの中、三角巾で腕を吊っている。
コーヒーを飲みながら、「あ〜あ、時間戻らんかな〜。」と、無理な願いを頭の中で反芻している。
事が起きたのは昨日。
学科の登録を済ませ、ちょっとした友達も何人かできて、帰ろうかな〜と思っていたところ、みんなでスケートに行くから一緒に行こうと誘われた。
まあスケートという言葉がでたらもう説明するまでもないですよね。
うん、こけました。普通に。笑
いやちょっと弁解させて欲しい。決して下手なわけじゃなかったんですよ。
普通にスイスイ滑れてたんやけど、前に人がいて避けようとした時に、ツルッと滑って咄嗟に右手をついてしまったわけです。
その瞬間思いました。「これ腕、いっちゃったかもしれないですね」と。ケブくん的に。
こうゆうことなんだよな〜、と思った。私がイケてない所以って。笑
これはちょっとマジのやつだと思ってしばらく椅子に座っていると、スケート場のファンキーなお姉さん(ゴリゴリのモヒカンでスケート靴がピカピカ点滅してた。光GENJIかと思った。)がやってきて、マニュアルに従って怪我の具合をチェックしてくれた。
お姉さん的には多分大丈夫だろう、と言っていたけど自分のことは自分が一番わかるので、いやこれは多分骨いってるよ、と思いながらもお礼を言った。
自分がいるとみんなが心配してくれるので、とりあえず大丈夫、と言って帰ることに。
きっとこのスケート場に来ることはもう二度とないだろうな。
動かさなければ痛くないので、自力でなんとか帰宅。帰ってから、症状をもとにネットで調査すること小一時間。
まさにこれ私だ、と思う症状が書いてあるページを発見。最後まで読んでみると、
「転んだ時に咄嗟に身を守ろうと手が出るのはまだまだ反射神経が若い証拠。とても良いことですよ!」
、、、、、いやまだそんなババアじゃねーわ!!!!!
とひとり部屋でつっこんだ。
まだ時間が戻らないかな、という夢が捨てきれなかった私はとりあえず一旦寝てみることにした。親か友達に連絡しようかな、とも思ったけど連絡したらいよいよ現実っぽくなるな、と思ってやめた。笑
朝起きて、確認してみる。やっぱ痛い。(当たり前)
諦めて病院に行くことにしました。
ちょうど昨日登録したばかりの学校のかかりつけ医に連絡するも、一番早くて来週の金曜の予約と言われ、その上そこは総合内科なので、診てもらって専門医が必要と判断されたらようやく整形外科に行けるとのこと。
なんじゃそりゃ、全然意味ないやん。レントゲン撮らんことにはお話になりませんやん、と確信があったので自力で病院を探すことに。
イギリスにはNHSっていう国民保険みたいなものがあって、(留学生もみんなビザ登録の時に料金を払って加入する)それに登録されている病院であれば基本的に無料で診察を受けられる。
ネットで調べていると'Minor Injury Unit'という診察科がある病院を発見。
Minor=小さな Injury=怪我 Unit=集団、チーム
救急に行くほどでかい怪我ではないけど、そこそこ痛いよ〜って人が行くところですね。まさにこれだ、と思いバスで向かいました。
ちなみにバスのチケットはアプリ上でクレジットで購入して、乗る直前にそのチケットをアクティベートして運転手にiPhoneの画面を見せると乗れるというシステムでした。超ハイテクだすげ〜。と呑気に感動。
病院は受付の人も先生もすごく良い人で、ホッとしました。グラスゴー訛りもちょっと慣れてきた。
レントゲン検査のお姉さんにいつこっちに来たの?と聞かれ約1週間前と言うと、あら随分早く病院を体験してラッキーね、とかわいい笑顔で言われました。ありがとうお姉さん。
検査結果はというと、まさに昨日自分で調べてたどり着いた答えと同じだったので、先生の説明を聞きながら謎のカタルシスを勝手に感じました。
'Radial Head Fracture = 橈骨頭骨折' らしいです。肘の関節近くの骨が割れてるってことですね。
転んで手をついた衝撃が伝達して肘近くでクラッシュしてしまうことで起きるらしい。
まあ、病名だけ聞くと仰々しいけど、特定の動きをすると痛いだけで、じっとしてれば全然大丈夫です。三角巾みたいなのをもらって、ギブスもなしで数週間で治るよ、とのことです。しばらくは生活しづらいけど、大したことなくて本当に良かった。
私は元気です。診察もちゃんと無料でした。いぇーい。
今回の件で、日本にいた時に夢中で読んでたある本のことを思い出しました。
史上最もネガティブな作家、フランツ・カフカの名言(?)を集めたこの本。
本当に面白いんですよこれ。
海辺のカフカの数十倍面白いと思います、そっちは読んだことないけど。笑
手元に本がないので正確ではないけど、私が好きな名言をいくつか紹介しておきます。
「目の前でグラスが割れてしまうかもしれないと不安で、水を飲むこともできなくなった。」
「将来に向かって歩くことはできません。将来に向かってつまづくことはできます。1番得意なことは、倒れたままでいることです。」
そして最後に、自分の肝に銘じたいこの一言。
「部屋の床でじっと寝ていれば、ベッドから落ちて怪我をすることもない。」
ということで、二度と調子に乗らず、静かに、本来の自分のテンションで暮らしていきたいと思います。
さて、Netflixに登録しよう。